器用貧乏の裕福な生活

割と幸せです

喋りながら考える

どうやら自分は喋りながら考える人間らしい。というよりも喋ってないとうまく頭が回らないと言った方がいいのかもしれない。喋らないと考えられないのだから、喋りだすときには全く整理できてなくて、ああだこうだ言いいながら考えだして結論に至る。いよいよ高まってくると頭が回りすぎて空回りし、口が追いつかないぐらいになる。そういう時は得てして良いアイデアに恵まれるものだが、周りには迷惑なやつだと思われているだろう。酒なんか飲んでるとひどいもんだ。

静かにしている時は何も考えていないことが多い。元来落ち着きがない性質で、去年に産まれた娘もその性質をよく引き継いでいて嫌になるが、とにかくじっとしていられない。あれにこれにと注意が散漫し、それでいて頭は全く回っていない。急に頭のギアが錆びついたようになってしまって、いったんそうなると、もう一度動かすのはなかなか骨が折れる。東京にいた頃は近くに座っていた人にちょっとした事を相談したりして無理やり動かしていた。今はその環境に無いのでちょっと困っている。

漫画を読んだりゲームをしている時は、なるべく頭の回転を止めているのか、周りの音も遮断したかのように聞こえなくなる。集中はしているのだが、何か頭に入ったり生み出したりすることはほとんど無い。ただ漫画ではよく泣くので、感情は動いていると思う。先の正月も義実家でONE PIECEを読みなおして泣いた。ウソップはガチ、異論は認めない。

小説や活字を読んでいる時は、ゆっくりだが頭を回しているような気がする。重い文章で頭のネジを固めに締めて、ギリギリとゆっくりトルクをかけて頭を回す。最初は力がいるが回りだすと勢いがついて一気に速度を上げて読みきってしまう。なるべく重いがやっと回せる程度の文章が好みで、高村薫は本当に丁度いい。

そういえば「黄金を抱いて翔べ」が映画化されるそうだ。普段映画は見ないが、これは見てみたいと思う。確か主人公のモモが働いてた吹田の町は地元で、自分の知った風景の上で物語が進むのは新鮮な小説体験だった。ただ確か工場があるとされた駅の山手側は高村薫や井筒監督の言う"大阪"と印象が異なる気がするが、もっとも小説も20年前の小説なのか、その頃は自分が育った町も、もっと粗野だったのかもしれない。

映画「黄金を抱いて翔べ」公式サイト

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考えながら書いていると話がかなり脱線してしまった。もう少し落ち着きのある大人になれると思ってたのになぁ。