器用貧乏の裕福な生活

割と幸せです

お好み焼きとごはん

「え、俺一緒に食べるよ」

と言った瞬間、炭水化物と炭水化物の組み合わせがまるで近親相姦かのように汚い言葉で罵ってくるのは、もうたくさんだ、がまんならない。

お前たちの好きな、ラーメンとライスだって炭水化物に炭水化物だし、焼きそばパンなんか炭水化物で炭水化物をはさんじゃって、ドリアは大胆にも炭水化物のうえに炭水化物をのせてしまっている。よっぽどたちが悪い。

それに広島あたりじゃ麺を中に入れて、これこそがお好み焼きだなんて言っている。それはいいのか、許せるのか。

せめて一度食べてみたのなら構わない。ただ異を唱えるやつはたいてい一緒に食べたことなんか無いんだ。そして食べてみたら、案外いけるね、とか言い出して、もう絶対許さない。いや許す、許すから食べてみてくれないか。

なぜお好み焼きとごはんだけが、こんなにも不当な扱いを受けなければいけないのだろうか。まるで禁断の愛、お好み焼きとごはんは、俺の口の中でこんなにも愛しあっているのに。